私はかつて20代の頃、持ち物をすべて断捨離した経験があります。
本も洋服もアクセサリーも家具も、何もかも全部です。
ただ、この時は実家で暮らしていた「独身時代」から、「結婚生活」へ移行するタイミングだったので、食器や家電はもともと持っていませんでした。
この時、モノの全捨てに踏み切るきっかけになった想いがあります。
それは、「変わりたい」という強い気持ちです。
国外への転勤だったので、新しい文化や言葉に慣れなくてはなりません。遠くへ引越しするので、私は今までやっていた仕事を辞職せざるをえませんでした。
そのことを嘆くのではなく「慣れ親しんで、新しい自分の居場所を作ろう」「これから “何をして生きていくか” を新たに考えよう」と、未来に対して希望に満ち溢れた想いを持っていたのです。
だからこそこの時、古い自分を捨て去ろうとして、すべての持ちモノを断捨離してしまったのだと思います。
この時は、「自分を変えて、生まれかわる」ために、モノの全捨てをしたのであって、お片づけとかミニマリストになることが目的で、断捨離した訳ではありませんでした。
だから、いくらモノの全捨てをしたからといって、お片づけ上手になったわけではなかったんです。
このことに気づいたのは、数年後のことでした...
なぜ気づいたのか!?というと、数年後、今度はスッキリした部屋にしたくてお片づけ目的で断捨離をしようとした時、うまくいかなかったからです!
一度はダイナミックな断捨離ができたにも関わらず、なぜ数年後にうまくできなくなっていたのでしょうか!?
*暮らしスッキリ関連記事⇨ 私たちはなぜ片付けるのか?その大きな目的とは!?
捨てりゃいいってもんじゃないでしょ
モノの全捨てまでやってのけたその本人が、数年後に片付けがうまくできなかったのは、なぜか!?というと、『片付け』上手になるためには、なんでもかんでも捨てればいい、というものではないからです。
『捨て』の上級者であっても、片付け上手とは限らない
『選ぶ』の上級者が、片付けの達人になれる人。
その後、モノがどんどん増えていってしまい、いざ片付けようとトライした時に、大変な思いをしました。
それで、この過去記事にも書いた「箱を3つ準備するお片づけ方法」も試しましたが、それは失敗に終わりました。⇨ 断捨離してスッキリした雰囲気の人になりたかった私が、たった一つの基準にしたがってモノを捨てていった体験談
「これだけは所持したい」と思えるモノだけキープする
「片付け」とは、モノやコトやヒトに片をつけていくこと。
片付けを工夫しながら頑張っていった先には、「自分にとって本当に大切なモノやコトやヒトがはっきりとわかるようになる」というプレゼントが待っています。
20代の私がしたように、勢いで持ち物を全部捨ててしまうのが、本当の片付けではないと思うのです。
とはいえ、「これだけは所持したい」と思えるモノって、どれなのか!?が最初の頃はわかりませんでした。
考えると、頭の中がモヤモヤっとしてきてしまうのです。
モヤモヤして身動きできなくなってしまった時には、2つのルールを思い出すようにしていました。
“選ぶ”ができない時に向き合う2つのルール:
👉<ルール1>
今、使いたいか使いたくないか」で判断していく。
👉<ルール2>
「もしかしたら将来使うかもしれない」は超NGな選び方。
上手に選び抜くことができなかったら、常にこの二つのルールを思い出して、選ぶか否かを決めていました。
しばらくすると、だんだんと選ぶことが困難ではなくなるようになりました。
選ぶことにこなれてきたかな、と思ったあたりから、ミニマリストを目指したいと思うようになりました。
*とても興味深い話をプロの方から聞きました⇨ 住む家のグレードと収入が連動してしまうコンフォートゾーンの話
全部の持ち物を断捨離して、効果はあったのか?
「モノの全捨て」をした20代の私は、その後、本当に変わることができたのか??
その答えはYesだといえます。
それまでの優柔不断で自分の意見があまりない性質から、積極的に行動するヒトへと成長できたと思っています。
その結果、体力や気力もアップしました。自宅で筋トレもやっていたし学位もとりました。自己管理がちゃんとできる人になれたと、自分では思っています。
でもでも....
お片づけ上手にはなっていなかった、ということですね。
大々的に「捨てる」ことの効果はあるけれど、だからといってお片づけの達人にはなれない。「選ぶ」を上手にできる人を目指せば、お片づけがこなれてくる。
経験を通じてそんな気づきがあった、数十年越しのお話をシェアさせていただきました。
長く生きてることも悪くないものだなぁ〜...(汗笑)。