毎年恒例になった、海外在住の甥っ子(9歳)の「夏ママ」になる季節がやってきました。
インターナショナルスクールに通う彼の日本語は、さらに妙になってきていますので、勉強もかねて日本の我が家に1ヶ月半滞在します。
今年は私がお迎えに行くのではなく、JALのファミリーサービスを利用して彼は1人で来日。
早朝7時半に成田到着!ちょっとハードスケジュールだけど、明日から日本の公立小学校へ通う予定でウキウキ。
入学手続きをするために、成田から教育委員会に直行しました。
ところが!!!
インフルエンザ流行の影響で「海外から来る子供は、すぐに学校に登校してはいけない」という決まりができてしまったとのこと。
「1週間は様子を見てください」とのお達しがありました。
微かな希望を抱いて病院へ、「新型インフルエンザにかかってません」という診断/証明書を発行してもらいに行きました。せっかく日本語の勉強に来たのだから登校日数が一日でも多くなりますように。
病院の入り口から入ってスリッパに履き替えると、床におばあちゃんが倒れていて、苦しそうに唸りながら痙攣していました。
看護婦さん達が慌てて処置をしていて数値的にもかなり危ない状態。脳梗塞の様で、しばらくすると救急車が到着し、大きな病院に搬送されていきました。
そんな状態でしたから、病院内は大騒ぎでなかなか診療の順番がきません。こんな緊迫した雰囲気の待合室に2時間くらい滞在する事になってしまいました。あの女性がどうなったか心配。
そろそろ帰ろうかな〜と思ったタイミングで、なにやら楽しそうなイベントへのお誘いメールが舞い込んできました。
キューバ大使館の関連イベントで「チェゲバラフェスティバル」です。夜遅くなってしまうけど、甥っ子も行きたいと言っているし、どうせ1週間学校へ行けないから何もすることが無くなっちゃったんだしっ、思いきって2人で夜遊びに出かけることに。
39歳でこの世を去ったチェゲバラは生きていれば81歳。かのジョンレノンが「世界で一番カッコいい男」と呼んだ“チェゲバラ”は、アルゼンチン生まれの医師、マルクス主義革命家で、キューバのゲリラ指導者。
カストロに「道徳の巨人」「真の革命家」と評されていたように、喘息を抱える身でありながら寝食を忘れて実践し公務と勉学に励んだ人。
また理想主義者でもあり、工業相時代にキューバ国民の労働意欲の低さを目の当たりにし「共同体のために尽くし、労働を喜びと感じる『新しい人間』」の育成を目指し、その出現を国家展望の下敷きとしたキューバのヒーロ。
駐日キューバ大使や、チェゲバラの写真を撮影した唯一の日本人カメラマンなどによるトーク・ショー「革命児・チェ・ゲバラを語る」があったので、「話しはチンプンカンプンだろうけど、カッコイイ大人達のエネルギーを感じてみろ」と、9歳の甥に無理難題をおしつけてみたけれど、ちゃんとそれなりにやっていたみたい。
最後に登場したのは、脳機能科学の博士。博士はその時にその場にいる人達にあわせて、話す内容をその場で講義内容を決めるのだそうです。
時間がおしていたけれど短いのに重量感のある講義をされていてあっぱれでした。「脳機能学者から見た革命について、コンフォートゾーンとの関連性」などについての講話でした。
ゲリラチックな衣装でチェゲバラや革命について語るお姿がカッコよかったです。甥っ子はすっかりファンになったみたい。サインをもらっていました。
その後、アントニオ古賀さんギター演奏会がありました。
生き甲斐を大切にするキューバの人々の生き方に魅了され、キューバへは17年の間に20回渡航なさったそうです。
キューバの人達に望みを聞くと「平和と音楽があればいい」と答えるのだそうです。古賀メロディーをラテン風にアレンジしてCDを出されました。『Nat's Melody』(懐メロor夏メロ)♪皆で踊りました♪
そして、皆んなでサルサやキューバのダンスで盛り上がりました。
夜の飲み会にも、参加してしまった甥っ子。
「まだ帰りたくない」と言い続け、結局10時半くらいまでいてしまったけれど、楽しくて希望に満ちあふれた大人達に囲まれていると、心地よいのでしょうね。
普通はこういった会に夜遅くまで子供を連れ回すなんて非常識な事でしょう。でも、やっぱり連れていって良かったと思ったことがあります。
今までは「大人になったらなりたいもの」を聞くと、いつも彼の父親がなって欲しいと思っているであろう職業を言っていたのです。
だけど、今朝になってまた「大人になったらどんな人になりたいの?」と聞いてみたら、具体的な職業名ではなく「自分が世界に伝えたい事があるから、それを伝えるためにこれこれこういう事をしたり、人にうまく伝わるようにこんな活動してゆきたい」と語ったのです。
その「地球規模の夢」の内容を聞いて私は一瞬目が点になったけど、スゴいと思って叔母バカながら感心してしまいました。
良い刺激や影響力を受けることはとても大切ですね。
こういう影響は言葉だけでなく体得してゆく部分が大きいですからね。大人だってそうだけど、子供ならなおさらです。
と、長かった1日を振り返ってそんなことを思っていました。それにしても激動の1日だった!
生まれて初めて1人で飛行機に乗って来日👉楽しみにしてたのに登校禁止と言われ👉たまたま病院で人の生死の場面に遭遇👉都内でキューバ大使館関連のパーティーに出席し👉初めてゲバラと出会い👉カッコいい博士の話に感動し👉ギター音楽に身を委ね👉キューバ系の人々とダンス🕺💃
これすべて1日の間に小学三年生の身に起こった出来事です。
第1日目にしてアップダウンがものすごい思い出の1日になりました。