大道ブログ

気持ちいい心でいたい私のWell-Being日誌

父さんの手書きのトリセツ、大切な遺品になりました


6月に天国へと旅立った父は、晩年テレビ番組を録画することが趣味の一つになっていました。DVDにして家族や孫たちに配るのです。

だから、ブルーレイやDVDプレイヤーなどいくつも持っていて、とっかえひっかえしながら、色々遊んでいたようです。

今週末は、クローゼットの中の片付け断捨離をしました。

棚にあった箱を開けてみると、父がくれたブルーレイのプレイヤーが配線や取扱説明書と一緒になって入っていました。

これは昨年、「VHSのプレイヤーいらんかね」と聞かれたので、「欲しい」と返答し、後日父が持ってきてくれたものです。


ところが後から開けてみてビックリ!VHSではなくて、古いブルーレイのプレイヤーだったのです。これだったら既に我が家にも一台あるので、使う場面がありません。

そんなわけで、一年間クローゼットの棚の中に眠っていたのです。

 

愉快な手書きのトリセツを発見

 

我が家では、今の家に引っ越してきてから「使っていないものはすぐに断捨離する」ことにしています。

だから、このプレイヤーも断捨離候補。一度も使ってないし、使う予定もないし。

だけど、今は亡き父がくれたものだからいつものようにズバッと断捨離には踏み切れません。

一緒に入っていた取扱説明書がふと目に入ったとき、紙が挟まっていることを発見しました。

 取り出してみると、懐かしい父の手書き文字で書かれたトリセツが出てきました!

この会社のプレイヤーの特徴とか、短所長所についてとか、わからないことがあったら電話する時の問い合わせ方だとか、おもて面と裏うら面にびっしりと手書きで書かれていたのです。

その言葉たちが、まさに父の語り口そのものだったので、瞳を潤ませながらも思わず笑ってしまいました。


実に愉快なトリセツです。

これを父の遺品というか「思い出の品」として、大切にとっておくことにしました。

そう決めたら、やっとプレイヤーの方は断捨離しようと決心がつきました。

 

ピンピンコロリが目標だった父さん

  

私は父と仲が良かったので、亡くなる前月までは、毎月デートしていました。

ランチを一緒に食べて、少しお散歩して、カフェで休んで、午後4時ごろバイバイする、というパターンです。主にダベリング(喋り食べる)ですね。

年寄りと話してる感はあまりなかったし、繰り返し同じ話題になることもないので、会話を楽しんでいましたね。

最後の5月のデートでは、定期検診の時の検査結果を持ってきて見せてくれました。1型糖尿病のはずなのに、血糖値もその他の血液検査結果も何もかも正常で健康体そのものです。

「俺はピンピンコロリだから!」と、いっつもニコニコしながら言っていました。(ピンピンコロリとは、健康で元気に暮らしててある日突然逝くこと)


そして、それは本当にその通りになったのです!

病院に入院するぐらいなら...

 

父は、自然治癒力信仰はなはだしい人でした。要するに、ものすごい病院ぎらいです。

ゴルフしてる時に側溝に落ちてスネを怪我した時、骨が見えてるのに「水で洗っときゃ治るから」と言って、そのままプレーを続けていた時には一同唖然でした。

入院して治療されるぐらいなら死んだ方がマシという考えの人です。

亡くなる数日前に、足がふらつきしゃっくりが止まらなくなって大好きな食事も取れない様な状態だったので、救急車を呼んだのですが、乗車拒否。せっかく来てくれた救急隊員さんを追い返してしまいました。

それで、逃げました。

父は83歳でしたがまだ仕事をしていて時々関東と東北を行ったり来たりしていました。この救急車事件があった翌日、母のいる実家から東北へと逃げたのです。また救急車を呼ばれてしまう可能性があるから!

家から500キロほど離れたところまで逃げちゃった!

本人らしく旅立つ

 

父はほんとうにほんとうに変わった人でした。

自分でなんでも決めて実行しちゃう人。決めたら、人のアドバイスはほとんど聞きません。

ピンピンコロリの目標を実現するために、フラフラになりながら東北へと逃げていきました。

後から妹と私で追いかけていき病院へ搬送したので病院のベッドで亡くなりましたが、病院の先生も「お父さんを責めないであげてくださいね。ご本人の考えを貫き通したのですから。立派です。」と優しく言ってくださいました。

結局、風邪から肺炎になって放置したため重症肺炎になっていたんです。肺の炎症から血流に菌がまわってしまい敗血症を併発してしまったことで、死に繋がりました。

父は「自然治癒しないなら生きてなくてもいい」、と決断したのかもしれません。

そして、ほぼそうだろうなと悟って、家族から逃げたんです。

あっぱれでした。

死に様は、自分で決めるものなんだな。そう学びました。

それから、「私はどうする?どうしたい?」と考え続けています。

人を尊重し、自分も尊重する

 

父の手書きのトリセツを発見して、いろいろと思い出していたら、いつもみんなにくれていた 録画したDVDは、バッチリ好みに合うものを選んでいたな〜ということに気づきました。

主人には仕事関連の新発見、姪っ子にはダーウィン、私にはノンフィクション、甥にはジャズ演奏、などなど。いつもみんなにピッタリな番組を選んでいました。

ということは、私たち一人一人のことをちゃんと見ていてくれてたんだな〜と。

自分をうんと尊重するわがまま勝手な父でしたが、自分の意思を尊重できるからこそ、人も尊重できるものだなと、気づかされました。


とりとめのないお話✨✨✨✨✨✨
ここまでお読みくださって、ありがとうございます。


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