「自分ならできる」という自分への確固たる信頼、内側からみなぎる自信のことをエフィカシーと言います。
エフィカシーを無理やりに日本語に訳すと“自己効力感”になりますが、ちょっとわかりにくいですね。
過去の自分の業績に基づいて「自分はすごい」と思えることは自己肯定感です。それに対して、未来の自分に対して「自分なら達成できる」という感覚がエフィカシーです。
エフィカシーの高い子供に育てるにはどうしたらいいか?は大人たちが大変に興味を持つところではないでしょうか。
今日の記事がなにかのヒントになれば幸いです。
高僧の生まれ変わりリンポチェ
リンポチェ(活仏)の認定を受けたお子さんと、ネパールではじめて会いました。
リンポチェとは、直訳すると「大いなる価値」という意味で、人に対して使用する場合は「高貴なるお方」となります。
通常はチベット仏教において、尊敬に値する宗教者すなわち 高僧に対して使われる尊称です。
リンポチェになるには二つのパターンがあるそうです。
パターン❶
ひとつは、30〜40年修行した何千人もの僧侶の中から選ばれ リンポチェになるケース。
パターン❷
もう一つは「前世でもリンポチェ以上の高僧だった」「リンポチェの生まれかわりである」と認定されるケースです。転生活仏ということです。
後者のケースにおいては、2歳でリンポチェの生まれ変わりの僧として 認定されると、その後はリンポチェとしての高い教育や修行を積んでいくのだそうです。
今回、私が出会ったのはパターン❷の道のりを歩み始めたリンポチェです。
幼児なのに活仏の貫禄が
どんな方が認定を受けるのだろう?と常々思っていたのですが、はじめて生まれ変わり認定を受けた、本物のリンポチェを 目の当たりにして「これは普通の2歳児じゃない!」と感じました。
👉まず、風格が違います。
こちらが彼の笑顔を見たいと思ったら、笑顔を手向けてくれます。差別無く、みんなに手を振りとても品の良い笑顔で微笑み かけてくれます。
👉精神的にとても安定しています。
2歳児なのに、数時間にもおよぶ仏教の催事中も、だまって 膝の上に座っていることができます。
もちろん、居眠りもしないし奇声を上げたりもしません。じっと座り式典を見守っています。
それでいて、普段はとても素直で子供らしく最高にかわいらしい 子供なのです。いなぃいなぃば〜が好きでコロコロ笑います。
この風格と清純さと誇り高い笑顔は、ただ者じゃない!
本当に生まれ変わりかどうかは別として、「どうしたらこんな子供に育つんだろう?」と 誰もが感激する様なお子さんです。
エフィカシーの高い子供に育てる
「どうしたらこんな子供に育つんだろう?」という問いに対する答えの1つに、エフィカシーの高さが挙げられます。
エフィカシーとは、どんな状況下においても「自分にはできる」といった、自分の能力を信じている精神のこと。
幼少の頃から「リンポチェ(活仏)として、周囲の人々から 扱われているわけです。
周りの大人は、子供として接し遊んだり笑わせたりももちろんしますが、基本的に「この子はリンポチェだ」と思いながら、尊重の念をたむけながら接しているわけですから、それは子供に無意識的にも通じるということです。
偉人の伝記を読むと、母親に「あなたは偉くなる人だから」と言われ続けて育った、という逸話を見かけませんか?余談ですが、みのもんたさんもそう母親に言われ育ったそうですね。
一般的には、親は子供がダメなことをした時にダメだったことを指摘 して、この次には「同じ過ちをおかさないように」と叱ってしまいがちです。
しかし、もしかしたらこのリンポチェ方式で子育てをしたら、ものすごい ゴールデンチャイルドが誕生するのではないか、と思うのです。
ようするに
🙅♂️「ダメ出し方式」ではなく
🙆♂️「あなたは偉い方式」
にすればリンポチェと同じ環境をつくることができ、エフィカシー高く育っていく。
そう、きっと...
どの子もゴールデンチャイルドなんでしょうね。本当は!
エフィカシーの高い子供は、自分の能力を信じています。
何が起こったとしても「自分を信じている」心を持つことは、何にもかえがたい人生の強みとなるでしょう。
追記:
もしかしたら「リンポチェが生まれ変わりだってどうやってわかるの?」と疑問に思う方もおられるかもしれないので、ネパールの高僧から聞いた話をシェアしますね。
高僧たちは他の僧侶たちと共に、毎日世界平和を祈り、修行し、瞑想します。そんな中で、「あ、生まれ変わりのリンポチェが誕生した!」という明示を受けるのだそうです。1人ではなく複数の高僧に示されると。
その子が生まれた国や場所も同時に降りてくる。高僧たちは生まれ変わりのリンポチェが生まれた生家を訪ねます。
そして両親に「あなたのお子様は、前世でもリンポチェ以上の高僧だった」「リンポチェの生まれかわりである」と告げます。
そして、本当にそうなのか?をテストします。
大昔に活仏が使っていた茶碗と、似たような茶碗を子供の前に差し出し「どちらがあなたの茶碗ですか?」と問いかける。(このようなテストがいくつかあります)
もしも生前に活仏様が使っていた本物の茶碗を指し示したら、「このお子さんは間違えなく転生活仏/リンポチェです」と認定される、ということです。
自分たちの子供が、リンポチェという高い地位の活仏の生まれ変わりだと知った両親は、喜んで子供を高僧たちに差し出すそうです。
「あの夫婦はリンポチェを生んだ」と村中で噂になり、人々が敬うようになります。
もちろん、親子の縁が切れる訳ではありません。ある程度大きくなったらときどき会うこともできます。
それなら、リンポチェとしてしっかり修行してほしい、と願うようです。