大道ブログ

気持ちいい心でいたい私のWell-Being日誌

「好きを仕事にする」の意味、絵を描くことが好きで家具屋を立ち上げた社長に学ぶ

「好きなことを仕事にすると上手くいく」とか、「好きな仕事なら成功できる」と言われています。

現在、好きなことを仕事にしている人ならば当然のことであり、何の疑問も持たないかもしれません。

一方で、そうではない人々にとっては、この箴言が100%腑に落ちるところまではいきません。

そのため、これらの言葉の意味を誤解されている方にたまに遭遇することがあります。

「好きなことを仕事に」の意味を取り違える

 

「好きなことを仕事にすれば成功する」という教えが腑に落ちない方は、「単純化」しすぎていることが誤解の元となっているパターンがほとんどです。

例えば⇨「麻雀が好きだから麻雀パイを売る仕事をする」
これ単純化されすぎていますよね。これでは「好きな事」云々というより、麻雀パイを売るために営業販売の仕事につくことになってしまいます。

これと同じく、私は猫ちゃんが大好きですが、だからといってブリーダーになりたいと思ったことはありません。猫ちゃんと遊ぶのが好きなのであって、猫を増やしたり売ったりすることには興味が無いばかりか、やりたく無い事です。

そうではなくて、「好きなことを仕事にすれば成功する」の本当の意味は、

 


大好きなこと行動ができる」ことを仕事にするということ。

 

 

仕事大好きという会計士の友人が、「最後に数字がピターッと合う、この感覚がサイコーに気持ちよくって幸せなの〜」といつも言っています。

数字は裏切らない。数字はピターッと合うもの。だから会計士の仕事が大好きなんですって。

同じ会計士でも「誰かの役に立てるから」というやりがいの気持ちで仕事をしている人もいるでしょう。しかし、この友人は仕事における「行動」(やる作業)自体に喜びを感じているわけですので、好き度でいったら友人の方が上でしょうね。

 

大好きな「行動(行為・やる作業)」ができる仕事につけたなら、充実感に満たされ、日々幸せに生きていけます。

心も豊かになり必要なものが引き寄せられるのです。だから書籍などで「好きなことを仕事にすると成功できる」と語り継がれているのでしょう。  

今日の記事は以上です。

ここから先は「好きなことを仕事にしている」ある人の紹介になります。

その方に出会って、おおいにインスパイアされたので、皆様にもご紹介しますね。

大好きなことを仕事にしている社長


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先日、手作りの木製家具を作っている会社の作業現場にお邪魔しました。

少し前に、木のぬくもりが感じられるキッチンを注文したので、我が家のキッチンができる作業工程を見てみたかったのです。

 この日は色塗りの作業。職人さん達は一筆ずつほんとうに丁寧に色を塗っておられました(写真↑)。

この会社は「選りすぐりの木材を使ったシンプルで上品なデザインの手作り家具」がウリです。家の雰囲気に合うようなオーダーメードも請け負っていて、椅子やソファーやキッチンに至るまで素敵な家具を提供しておられます。

ここの家具の特徴は、釘を使わないところ。

無垢材を利用して、木と木を組むときもビスやクギで止めない方法だから、湿気や乾燥の変化があっても、木が自由に収縮できます。

だから、ここの家具は100年たったらアンティーク家具として素敵に熟成していくのです。

手作り家具と長いおつきあいができ、さらに経年によっても価値があがる家具。しかし、家具のお値段は通常より高額です。例えば本棚なら1つ50万くらい、TV台なら15〜20万くらい。

しかし、この会社の業績はうなぎ上りだというのです!

開業したのは13年前。それからずーっと変わらず、同じコンセプトを貫き通してきた。わずか1年前には1〜2名だった職人さんも5人に増えた!しかも、これまで神奈川県内にあった2つのショールームに加えて、都内の由緒ある洋館にもショールームを開設したばかり。

社長さんは、若き青年実業家さんです。企業したときはまだ20代。高品質にこだわり続け、それを欲しいお客さんに届け続けて13年。 消費税が上がって、物が売れなくなった今もここの家具が欲しい人が後をたたず、今注文しても半年以上は待たなくてはなりません。  

 

「好きなことを仕事に..」の意味がわかった

 

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この高級手作り家具会社の社長さんは、“ぬくもりを感じられる天然素材の家具” をお届けすることに情熱を傾けていることは確かです。

ただ、それに加えて彼の好きなことを活かして成功しているのです。

社長さんの大好きなこと。 それは、「絵を描く」ことです。

彼に何か質問をすると、すぐに鉛筆を手に取ってササっとデッサンを書き始めるんです。ちょっとした質問でも必ずデッサンを描きます。

「これは、食器棚ですか?」 「あ、それはキッチンの上釣り棚なんです。こんな感じに...」 と...答えるより早く鉛筆を走らせて、質問した作りかけの家具のおさまり姿をサッと描いてくださる。

彼の描いたデッサンを見ると、確実に家具が欲しくなってしまうんですよね。

なんだろう?あれは。魔法みたい。

魔法といっても洗脳されたりとかネガティブなことではなくて、「想い」とか「愛」とかが伝わって来るような、そんな感覚です。

お客さまへのご提案もデッサン付きで納品しておられる様で、いろいろ見せてもらいました。

ショールームを訪問されたお客様が、どんな家具を希望されているか?生活環境は?部屋の他のインテリアは?壁は何色?など、お客様からお話しを聞いて、イメージを膨らませ、売りたい家具と家の中の様子を描いていく。

これがまた、超ステキなんですよね。

その絵は上手とかそういうのじゃないんです。見ると幸せな気持になるというか。そんな感じ!

あれを提出されてしまったら、付随してくる見積書のお値段が高くても、ぜったい欲しくなってしまうお客様も多いでしょう。

実際に、家具を使った時の雰囲気のカケラを感じさせてくれる「絵」だからです。

この絵を手にすると「どんな価値を受け取れるのか?」がわかります。払う金額以上のものが得られる、ということを雰囲気で感じる事ができるのです。

手作り家具を買う予算が足りなかったとしても、これからがんばって働いて、来年ぜったい発注するゾ!って、思ってしまう。

最初にこの家具屋さんのことを知った時は、そのお値段のレンジから察して「きっと、お金持ちの人達がお買い求めになるんだろうなー」と想像していました。

でもどうやら、そうではなさそうでした。

ご利用者の感想や、注文した家具などが掲載されているものを拝見したことがあるのですが、ごく一般的な若い年齢層の人達がほとんどでした。

きらびやかだったり豪華だったりする家や家具というより、ナチュラルな雰囲気が好みで、自然体で暮らしたい。そんな感じの若い世代の人が、この高価な手作り家具を買っていらっしゃる様子でした。

そのような嗜好の人達であっても、誰しもがここまでの金額を出そうとは思わないかもしれない。 けれども、社長の大好きなこと「絵を描くこと」が、うまく彼の提供しているビジネスと癒合されることで、この家具を使った時の雰囲気のカケラが相手に上手に伝わり、購入を決心する人があとをたたないのではないかと思います。

これは、見た目が素晴しいカタログをもらうのとは、わけがちがいます。

お客様は自然体な暮らしを求める人達だから、絵から察する雰囲気も敏感に感じられる人達ですので、なおさらです。

「好きなことを仕事にする」という話題に戻します....

社長さんが「絵が好き」だからといって、自分の絵を販売する事業を起こしていたらどうなっていたでしょうか!?

ギャラリーをつくって「オレの作品を見てくれ」と展示してたら売れたかどうか!?

もしかしたら、売れる絵を描こう!人から認められる絵を描こう!と、ストレスフルに奮闘していたかもしれません。

でも、会社は家具を売る会社。そして、社長さんは職人さんではありません。職人さん達を指揮しているだけです。

注文家具屋さんで、お客さんが欲しい商品の「絵」を描いて渡す企業なんて聞いたことがありません。ここの会社の大きな特徴となっています。

でも、本人はそんなこと微塵も思ってもいないと思います。

ただ、自然にペンを持って描いてしまってるだけ。 彼の「絵」は、お客様とのコミュニケーションをとるためのツールとして使われています。頑張ってプレッシャーに押されて描いているわけではありません。

楽しそうな様子で描いています。 これ、「好きなことを仕事にする」の醍醐味のような気がしてなりません。

皆さまはどう思われますか!?