オトナの人に読んでいただきたい、親から子への影響力と「自立」についての記事です。強く健全なマインドを作ることを妨害する「他者原因の思考」について具体的にお話します。
- お母さんは悪くない、毒親とよぶ他者原因の考え方
- 母親の影響を受けない人はいない
- そもそも、お母さん学校は存在しない
- 子供の性質 VS. 母の性質、相性について
- 無理にでも支配し教育せねば
- 本当の意味での自立とは!?
- 他者原因型の思考で成功から遠のき病気に
お母さんは悪くない、毒親とよぶ他者原因の考え方
心理療法の中には、親からの影響による思い込みや心のブロックもしくはトラウマなどを外すセッションが行われることもあります。
良い結果をもたらすと期待して行うのでしょうが、大きな弊害をもたらしているケースが散見されます。
この類のセッションを体験したせいで、いま自分が抱えている問題は「親が全て悪い」というマインドを根付かせてしまう人がいらっしゃるのです。
私自身がクライアント様と接してきた経験から、「親がすべて悪い」という価値観を抱えている場合、「人生が上向きにならない負の思考形態に陥っている状態」であるといえます。
このようなマインドが根付いてしまうと、恐ろしいことが起こります。
ほとんどの起きている事象について「誰かのせい」と片付けてしまう負の習慣が出来上がってしまうことがあるのです。
なぜなら、人間というものは他の人間がいないと生きていけない生き物だからです。
「他の人間がいなければ自分の心はもっと自由になれたのに」というポイントばかりに注目していると、
「他の人間がいたからこそ、幸福感や安心感を感じることができた」というポイントに霧がかかり、すっかり見えなくなってしまうのです。
母親の影響を受けない人はいない
ヒトの赤ちゃんは、周りの大人たちの真似をしながら人間として成長していきます。
ミラーニューロンという神経細胞のはたらきで真似っこや同調することでそれを成し遂げるのです。
オオカミに育てられたら人間の子供でも4本足で歩行し遠吠えをあげる大人になります。
人間の体の機能により「親の真似っこをしない」という状況はほとんど皆無に等しい、ということになります。
つまり、親の影響を全く受けていない子供は(一緒に住んでいるならば)いない、のです。
「自分だけが辛い」という思い込みや幻想を持っていると、心理的に辛い状態から抜け出すことがより困難になってきます。
「自分だけが辛い」のではなく、誰もが置かれた状況の中でさまざまな選択を繰り返しながら生きていることに気づく。
それだけで世界が少し広がります。
「自分だけが辛い」と思い込んでいる人は「他のお母さんはいいお母さんかもしれないけどうちの場合は最悪」というような思考をしていることが多い。
でも実際には、すべての人類にはミラーニューロンが備わっているため、親の影響を受けてない人などいないのです。
ミラーニューロン(Mirror neuron)は、1996年にイタリアに所在するパルマ大学のジャコモ・リッツォラッティ率いる研究により、霊長類などの高等動物の脳内で発見された神経細胞。
他者の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように"鏡"のような反応をします。
「自分が行動する時」と、「他の個体が行動するのを見ている状態」の両方のシチュエーションでミラーニューロンの神経細胞が活動電位を発生させることがわかっています。
*お母さんに褒められたいならやってみて!⇨
そもそも、お母さん学校は存在しない
お母さんほど大変なポジションはないのでは!?と思いませんか? お母さんになるための学校もないし、突然お母さんになっちゃった!という状況のときにもお母さん塾や家庭教師もいません。
なんとか周りの人たちに助けられたり教わったりしながら、ガンバって独自の考えでお母さん業をやっていくしかないのです。
全てがぶつけ本番であり、現場対応ですね。
こんなことができるのも本能のなせる技。ぶつけ本番で現場対応している時の「現場」の状況が、お母さん業をしていく上で大きく影響を与えます。
とてもよい環境で健康的に暮らしながら、夫が最高に優しくヘルプしてくれて、お金の心配も全くなく、自分の親も手伝ってくれるし、近所の人は優しい。
そんな状況だったらお母さんのストレスが最小限で、本来の愛情をたっぷり子供に注いであげられるかもしれません。
でも現実の世界では、こんな理想的な状況の中で子育てができるお母さんばかりではありません。
ほとんどのケースでは、何かしらの困難がありながら頑張っているものです。
妊娠中の夫の浮気、子供の泣き声でクレーム、自分の体調不良、誰も手伝ってくれない、仕事を失う、ご近所との人間関係、義母との関係、などなどストレスフルな環境の中で現状に対応しながらがんばって子育てをやってきたのです。
このような状態で完璧(カンペキな母親像)を求める方がおかしいとは思いませんか!?
考慮してほしい大切な要素がもう一つあります。それは...
*母と子にまつわるマインド記事⇨
子供の性質 VS. 母の性質、相性について
生き物には”相性”というものがあります。
仲が良い悪い、すぐ喧嘩してしまう、などは野生動物の世界でもあるし、人間も同じです。
相手を好きか嫌いかは関係なく、純粋に「相性」というものが存在します。
東洋医学でいう「陰陽五行思想」に当てはめてみると、このことがわかりやすくなります。万物の象徴である五元素を各臓器に当てはめ、治療を施していくのが東洋医学です。
内臓の他にも心や環境などに当てはめ、うまくエネルギーが循環するようにしていく古来からある考え方です。
五行思想の視点から人間関係を観ていくとき、2つのポイントがあります。
相生の関係(滋養を与える・楽・相性が良い)⤴︎
相克の関係(エネルギーを奪う・抑圧・相性が悪い)⤵︎
ひとつずつ見ていきましょう。
🥰相生の関係では...
「水」💧は「木」🌲に滋養を与える⤴︎
「木」🌲は「火」🔥をおこせます⤴︎
「火」🔥は「土」⛰を生み出し⤴︎
「土」⛰からは「金」⚙️が生まれ⤴︎
「金」⚙️の器は「水」💧を保持する⤴︎
というふうに、滋養やエネルギーを与える関係になります。
もしも生まれた子供がお母さんにとって「相生の関係」である場合、お母さんは子供から滋養を与えられるような感覚があり、子育てをリラックスしながらできます。
一方で、もし自分の子供と相克の関係だったらどうでしょうか!?
ただでさえ大変な子育てなのに、さらにエネルギーを奪われてしまうのです。大変さを感じる感覚が大きくなるでしょう。
もちろん子供に悪意は全くありません。万物の巡りでエネルギーの流れがそうなってしまうのです。
😵相克の関係では...
「水」💧が「火」🔥を消してしまう⤵︎
「木」🌲は「土」⛰の養分を奪い⤵︎
「火」🔥は「金」⚙️を溶かしてしまい⤵︎
「土」⛰は「水」💧の流れを止め⤵︎
「金」⚙️は「木」🌲を切り倒す⤵︎
このように相手を抑圧するようにエネルギーが作用していきます。そのため、接しているとエネルギーを奪われているかのように感じることもあります。
無理にでも支配し教育せねば
人間誰しも、エネルギーに満ちていれば自分らしくいられます。
そして能力を発揮することができます。
リラックスして自分の能力を発揮しながら子育てできるお母さんは、よりいっそう子供の個性に寛容になれるのかもしれません。
でも、子供と相克の関係であった場合は消耗している感覚が強いかもしれません。
そのような状況では、無理矢理にでも「子供を支配する必要がある」と感じてしまうでしょう。
みなさま自身や、周りの人たちを思い出してみてください。
同じ親から生まれて同じ環境で育ったのにも関わらず、兄弟姉妹によって「母親による影響が全く違う」というケースを見たことがありませんか?
母親側もそれは同じで、子育てがリラックスしてできた子と、頑張って頑張って力が入った子育てだった、ということもあるのです。
愛情はそこにある、それは動かぬ事実。
愛情とは関係のないところに相性の問題があります。
*容姿に自信がないマインドの起源⇨
本当の意味での自立とは!?
ここまでお読みくださった方の中には、「お母さんは悪くない」という考えに対し同意できない!という方もおられるかもしれません。
なぜこの記事を書こうと思い立ったのか?についてお話しさせてください。
その理由は、これ↓です。
「他者原因の考え方」をしながら生きていくと、成功から遠ざかってしまうから。
それだけでなく、病気を招く原因にもなります。だから、どうしてもお伝えしたかったのです。
お母さん云々はただの一例であり、全てにおいて他者原因の考えはやめた方がいい。
そもそも「親のせいで..」という考えが手放せないのは、自分が親離れできていないからなのです。
まだお母さんを求めている状態です。
「お母さんは悪くない」をしっかり頭で理解した先には、本当の自立があります。
本当の意味で「自立」できた人は、自分の人生を歩むことができます。
「自立」とは、幼少期~青年期にかけて他の人たちが手助けをしてくれて出来上がった ”自己イメージ” から脱却すること。
(一人暮らしをすることだけが自立ではありません)
大道かほり 想咲人365デイリーメッセージより
お母さんを含み保護者たちは皆、子供に対して「こんな大人になって欲しい」という想いや願いを持っています。
その子のためになると思っているからです。
その想いが躾や教えの基本となって子育てに反映されます。これが子供の ”自己イメージ” の骨組みの一部となっていく。
成長するにつれ、さまざまな体験を通じて親が作ってくれた骨組みに、今度は自らによって肉付けし自己イメージが再構築されていきます。
成長とは、自分オリジナルの価値観を見いだしていくこと。
新たな自己イメージを自分自身で作りあげることが、本当の「自立」です。
いつまでも他者(親)が作り上げた骨組みのままの昔の自己イメージで過ごしている状態は、まだ自立できてないということ。
「親が悪いから今の自分に問題がある」という世界観を持ったままでは、自立はできません。 なぜなら...
他者原因型の思考で成功から遠のき病気に
親のせいで問題になっているなら、それは解決不可能なこと。
この様な「他者原因思考」で悩み解決策を練っていくと、出口が見つかりません。
その代わり壁にぶつかり強い「怒り」だけが残ります。
他者(親)が原因なのではなく、そのような環境に生まれた自分に原因がある。「自分原因」という観点から解決策を考えていくと素晴らしい気づきと案が生まれてきます。
親は親の問題があり、自分には自分の課題がある。一度このようにセパレートさせて考えてみる。
その上で、今ある状況を自分の手のひらに乗せて眺めてみる。
これが自分が担当する問題。親の問題は親に担当してもらいましょう。
ここからがスタートです。 自らを「自立」させられるのは自分自身だけです!
本当の意味で「自立」したら、「自分が望む世界を自由に創れるようになる」という副産物がもれなくついてきます。
*目標ってほんとに必要なの?⇨