人の盲点はどのように生まれるのか?選択的記憶とは何か?についての記事です。「ものの見方」はほおっておくと固定化(老朽化)してしまいがち。この記事はこれらを打ち破るヒントになる内容です。
社会心理学者のアルバート・ハストーフ博士らは、実験により「人には”選択記憶”が生じている」ということを発見しました。
選択的記憶とは、人の知覚プロセスの1つであり、「自分自身の信念を裏付ける情報を記憶する」という傾向のこと。
何かについての強い思い込みや確信を持っていた場合、「どちらともとれる情報」を目にしたときには自分が見たいと思う方を選んで見ている、という事象です。
選択記憶についての実験
実験では、被験者達にまったく同じフットボールの試合を見てもらい、後から「この場面ではどうだったか?」といういくつかの質問をしていきました。
その結果、同じ出来事を見ていたにもかかわらず、それぞれ別のところに注目していたために、「起きたことに対する印象がまったく違っていた」という結果になったのです。
ハストーフ博士の実験でも明らかになった様に、人は自分が “見たいもの” だけを見ながら人生を歩んでいますので、「自分には見えていないこともある」という事を知ってるだけでも大きく成長度が違ってくるのです。
けれども私達はつい、
「自分が一番正しい」
と、思ってしまいがちです。
つまり、自分はいつでも理性的な判断を下していると思い込んでしまうんですね。
自分の盲点を指摘してくれる誰かの存在
私たちはデフォルテで「自分が一番正しい」という思い込みを持っている。だからこそ、「盲点を指摘」してくれる ”誰か” は、貴重な存在。
人の盲点を指摘する事は、必ずしも相手に喜ばれることではないので、慎重になります。ほとんどの人が指摘せずにやり過ごします。
盲点を指摘した相手との関係性が悪くなってしまう可能性もあり高リスクです。
そんなリスクを顧みず、指摘してくださる人がいるとしたら、とてもありがたいことです。
私もつい最近、盲点を1つはずしてもらえた出来事がありました。
それは、私自身が「今後もこのままでやってゆこう」と決めていた事柄に関することでした。
午後の日差しを浴びながら心地よいソファー席で美味しい紅茶をいただいていた。そんな和やかな時間を過ごしていた時に、それは起こりました。
はじめてお目にかかった方と、普通に会話をしていただけなのに、大きな盲点がはずれて見える世界ががらりと変わってしまったことに、本当に驚きました。
同時に、もしもこの先もこの盲点があるまま生きていたとしたら、ぜんぜん違う人生になっていたんだろうな〜、と考えると、相手の方に対する感謝の気持でいっぱいになってしまいます。
そして勿論、その方を私に紹介してくださった方にも!
これは、私が恩恵を受けただけでなく、私の周囲にいる人々とか、私が提供しているサービスを受けてくださっている方々にとっても、なにかしら影響があるだろうと考えると、ものすごくダイナミックな変化が起こった、といえますね。
そう考えたら、もっともっと盲点をはずしていきたくなってしまいました!
盲点をはずしてくれる人との出会いを引き寄せる
普段から「盲点をはずしてくれるような、反対の見解をくれる人ウエルカム♪」な心的態度でいれば、そのうちきっと目の前にその様な人が現れるはず。
「自分の見てる世界が全てであり一番正しい」というカタイ頭だと、盲点をはずしてくれる意見をもらった時に、ただ「ムカつく!」と感じるだけで終わってしまいます。
そんなの、とってもとってもモッタイナイ!
・どのような人と繋がりたいか?
・どういうご縁のネットワークを創りたいか?
・周囲にはどういう人がいて欲しいか?
・どんな人間関係を持ちたいか?
こういった事は、つねにビジョンとして描いておくことがとても重要だと思うのです。もちろん、紙に記しておくことがベスト。
目標設定をする項目の中でも一番重要なことがらの1つではないでしょうか。
自分が見えてない「盲点」や「思い込み」に気づいてくれる周りの人。それらを指摘してくれることに感謝の気持ちを忘れずにいたいです。
「ものの見方」の固定化されたパターンをいちど壊す。それによって盲点が1つまた1つとなくなっていき視野が広がります。このプロセスが自己成長につながるのです。