大道ブログ

気持ちいい心でいたい私のWell-Being日誌

17歳の高校生に起こったことから考える評価経済社会の影響と生きづらさ


先週の出来事です。17歳の女子高生が2人でマンションから飛び降りるところをSNSで生配信していたというニュースを目にしました。理由は、人気YouTuberの男性にフラれたこと、遊ばれていたと知ったこと、など失恋によるものだと推測されています。

親御さんの気持ちを思うと虚しくて悲しくてしかたがありません。なぜ少女たちは、この様な大胆な行動に出てしまったのか?社会のあり方について考え続けています。

同時に、私が17歳の時のクラスメイトで、隣の席に座っていた少女Uちゃんから聞いた話を思い出していました。超真面目で成績優秀、特に英語はいつも100点で先生からの信頼も厚かった子です。

当時Uちゃんが、世界的に大人気だった海外のバンドの大ファンだったことは知っていました。出す曲が次々とヒットチャート1位になるほどの人気者。ある日、Uちゃんから「絶対誰にも言わないで」と告げられた秘密の話は、かなり衝撃的な内容でした。

 

昭和のある17歳の少女


Uちゃんから告げられた秘密。それは、彼女がそのバンドのボーカルの男性のグルーピーである、という告白です。(Wikkpediaによると、グルーピーとは、有名人の追っかけで精神的のみならず肉体的つながりを望む人のことを指す)

超マジメな彼女からは想像もできない告白内容に、目が点になったことを今でも鮮明に覚えています。ボーカルの彼のホテルの部屋でどんなことをしたのか、されたのか、何回いたしたのか、などを詳細に、とても誇らしげに、話してくれたのです。

なぜ今さら、Uちゃんのことを思い出したのかというと、失恋で飛び降りた松戸の女子高生たちと同じ年齢だったから。

Uちゃんは、自分がその売れっ子歌手のグルーピーであることを自慢げに話していた。でもこの女子高生たちは有名人であるYouTuberにもて遊ばれたことで生きる気力さえ失った。

この違いは何なのか。
どこからくるのか。


もちろん性格も生育環境も違うし時代背景も違うのは当然です。そしてどちらも大人から見れば「よくないこと」をやらかしています。しかし、同じようなことをしているにも関わらず、受け止め方や心情が真逆であることが気になりました。

しばらく考えていて、もしかしたら現代社会でどんどん広がっている「評価社会」(評価経済社会)の影響もあるかもしれない、と思いました。

評価社会に生きる子どもたちの心理

 

いま私たちは「評価社会」の真っ只中にいます。私やUちゃんが17歳の頃にはまだ無かった概念です。

国によっては、個々人の評価がシステム化されているところもありますね。一人一人にポイントがある。その国では、誰かが何かしらのマイナスの行動をすると、そこからどんどん点数が引かれていくという減点方式だという。

評価社会(評価経済社会)とは、人々の価値を評価する社会であり、個人の社会的地位や評価が重要視される社会のことを指します。

このような社会においては、経済的成功や社会的地位そして容姿(ルッキズム)などの外的な要因が個人の評価に大きく関ってきます。

私たちの国では評価社会がシステム化されるところまでは行っていません。でも、社会が全体的にそのような風潮にあるのは他の国と同じです。

だからこそ、何がマイナスポイントになり、それはどのくらいのポイント減なのか?が雰囲気によって定められているような状況です。

この様な状況下では、しっかり自己が確立している大人ならまだしも、子供たちにとっては大きな精神的ダメージにつながる可能性が大きいのです。

例えば、SNS上では常に「いいね!」や「フォロワー数」が求められるため、自分自身の価値観がSNS上で評価されることによって、それが現実にも通じると、子供達が錯覚することがある。

その結果、今回の様な悲劇に至ることもあるのです。評価社会による子供たちへの悪影響として、以下の様なことが挙げられます。

 


▼自己肯定感や自己イメージが低下する
▼心理的な苦痛を日々感じる
▼ストレスが増加する
▼偏った評価基準による差別やいじめ

 

今回のような悲劇をなくすためには、どうしたらいいのだろう?と考えてみたけれど、評価経済社会であることは、この情報化社会において止めようがありません。

「教育」の現場で、子供たちにこの様な風潮ができた社会的背景や仕組みなどを説明する。それと「一人一人の個性の大切さは別物」だから、ということを理解してもらうことが必要不可欠でしょう。

同時に、情報に振り回されっぱなしになるのではなく、私たち人間が人間を評価する際には、個人の内面的な要因や多様性を尊重し、公正な評価基準を確立していくことが、健全なマインドを維持するために大切ではないでしょうか。

 

すでに見られる子供たちへの影響

 

つい先日、ある女子高生のお母さんから聞いた話です。子供が通っている女子高での美容整形してる率がほぼ100%だ、というのです。

まさか〜それはないでしょ。と思ったけれど、どうやら本当の様でした。そのお母さんは整形を反対しているので、娘さんから「みんなやってるのに!アンフェアーだ!」と追い詰められているとのことでした。

その高校は、偏差値が高い有名校だったので驚きを隠せませんでした。

SNSなどでフィルターをかけて、自分を実際より良く見せるだけでは満足できなくなったのでしょうか。もしかしたら、韓流ドラマやK-Popの流行もこの様な現象に拍車がかかった要因の一つなのかもしれません。

明らかなのは、これは女子高生たちが評価社会のにしっかり乗っている状態だということ。容姿を重要視する思想をルッキズム (Lookizm) と言います。評価社会において、経済的成功や成績などと同等にルッキズムが重視される傾向にあります。

これは由々しき問題。先の松戸の女子高生も、整ったお顔だちをしているにも関わらず「自分の顔が嫌い」と日頃から周囲に語っていたそうです。社会の評価基準に合わせて鏡を覗いているなら、辛い気持ちになってもおかしくはありません。

社会的な動物である人間にとって、お顔はとても大切です。人の顔には個性が如実に表れます。どんな顔にも個性があり味がある。

そんな大切なお顔を、社会の風潮に合わせて切ったり貼ったり、皮膚の下に異物を埋めたりしなくてはならないなんて、過酷すぎやしませんか。

私は長くボディーワークの施術を提供していたので、身体の筋膜を「切る」ことが、いかにその人の健康状態に影響を及ぼすのかを知っています(別の記事でまた取り上げたいと思います)。

評価社会から心を守るための解決策

 

「私は私なんだから」と、自分で自分を承認してあげられるようになれば、社会の評価基準で自分をジャッジする必要がなくなります。

他人から承認してもらわなくても、自分が自分を承認してあげられたら、満ち足りた気持ちでいることができるのです。そうなれたなら、社会の評価や他人の価値観によって揺れ動かされることなく、自分自身の内なる幸福感を追求できる様になるかもしれません。

そんなふうに自分で自分を承認してあげられると、自己評価が高まります。

自分で自分を承認できる様になるためには、自分自身の価値観信念理解している必要があります。その基準に従って行動することができるからです。

とはいえ「自分の好きなことがわからない」という若者が多い昨今、信念や価値観なんてもっと解らないよ、と言いたくなる人もいるでしょう。

その場合は、どんなに小さなことでもいいので、「好き」か「嫌い」か?をいちいちラベリングしてみてください。そんな小さな行動を重ねていった先に、自分の好きなこと、価値観、信念、が明らかになってくる日がやってきます。

 

最後に

 

厚生労働省と警察庁の発表によると、昨年2022年の1年間に自殺した小中高生は514人で過去最多。若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国(G7)では日本のみ。

空気読む力が世界一である日本では、自分基準よりも「社会の評価基準」の方に最も注力してしまう人が多いのかもしれません。

他人の意見や転がってる情報は鵜呑みにせず、いろんな角度から眺めたり、いちど批判的に分析してみることも大切ですね。

それからSNSを断捨離する勇気も!

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