せっかく相手のことを褒めたのに、つい余計なひと言を放ってしまった為に、逆に感情を逆撫でしてしまったこと、ありますか?
私にもその様な経験があり、深く反省するとともに「人をほめる時は、シンプルに褒めよう! 」と心底思い直しました。
褒めの作法、褒める時に絶対に言ってはいけない「ひと言」について、お話ししていきます。
褒めに失敗した例の背景ストーリー
むかしむかしその昔、友人C子が彼との結婚を目前にし、深く悩んでいました。
最愛の婚約者から「子供は作りたくない」と告白されてしまったからです。
C子の婚約者は優秀な方で、子供が欲しくない理由を雄弁に語り、一歩も譲らないほど硬くそう決心していると言いました。子供は面倒だしうるさいだけだし絶対ヤダと。
米国人である彼は、ハッキリ自分の気持を伝えていました。
その頃のC子の夢は「結婚して子供を産み家族をもつこと」でした。だから、子供が欲しくない人と結婚したら、彼女の人生はいったいどうなってしまうのだろう!?
そう思うと、心配ですし、当時は彼女といっしょに悩みに悩みました。
とはいえ、とっても仲の良い2人は、なんだかんだいっても別れることはなく無事に結婚しました。
あの悩んでいた日から10年くらいの歳月が流れました。
実は、今ではC子とご主人様の間に子供が生まれて、とっても幸せな家庭生活を送っています。
いろ〜〜んな出来事を経て、一緒に暮らすうちにC子がどれだけ子供を欲しがっているのか、ご主人様にも少しずつ伝わったのです。ほんとうにほんとうに、よかった。
彼らは海外に住んでいるので、会えるのはC子が数年おきに実家に里がえりする時だけです。いつも首をながーくして帰ってくるのを待っています。
私の褒め方 失敗談
あれは忘れもしない、2人の間に生まれた子供が3歳の夏休み。C子とご主人さまとおこちゃまと3人で日本に遊びに来ました。
私にとっては、はじめての子供ちゃんとの対面でした!
その子が待ち合わせ場所に現れたときの感激は忘れることができません。可愛らしい妖精のような女の子でした。
ご主人様は、目尻が下がりっぱなしで、も〜デレデレでした。
すごく子煩悩で、やれお水だトイレだと面倒をみたり、遊んであげたりしている姿を目の当たりにしていたら、あの過去にC子と悩んでいた頃の事を思い出して、感慨深い気持にさせられてしまいました。
あれだけ「子供が大嫌い」だ「面倒」だと言い続けていた彼が、このメロメロ状態なのですから!
C子の熱意が伝わって子供を授かれて、ほんとによかった。こんな可愛らしい子がきてくれたんだね。
それで、 ワタシは感慨にふけりながら呟きました。
「あんなに子供いらないって言ってたのにねぇ、すごくいいパパになったね〜。もー信じられないくらいだわ」と。
そしたら、彼は言いました。 「え?そうだっけ?ボク覚えてないや」 って!
私はC子と共にさんざん長期に渡り悩んでいたので、その言葉にビックリでした。
別にどうでもいいことなんだけど、会話の流れで「うっそ!覚えてないの?子供欲しくないってあれだけ言ってたのに」と返答しました。
すると彼の表情がかげりはじめ、 「過去の事はどーでもいいじゃないか」 「過去の話しをするのはやめようよ」 と、ちょっと怒っている様子。
私は感慨深く過去の世界に浸りきっていて、思わずつぶやいてしまったけれど、彼がちょっと怒ったから、改めてとても失礼な事を言ってしまった事に気づきました。
今、とっても幸せにしているのだから、過去に勃発してた問題などはどーでもいいことなんです。
けれど、私は考え無しにあさはかにも“回想”や”想い出”の位置から、余計な事をつぶやいてしまったのです。
彼は、日本人じゃないからハッキリと思ったことをその場で言ってくれました。だから私は救われました。
その場で私が彼にとって不快な発言をしてしまったことを指摘してくれたので、その場で「ごめんね」とあやまることができました。
だから次の瞬間から、楽しい時間をまた一緒に過ごすことができました。
数年前の事なのですが、私の脳裏に焼き付いている出来事です。 深く考えもせずに、ポロっと彼の過去について、今は改善されたにも関わらず、彷彿させるようなことを言ってしまったのです。
とても反省しています。 (今でも仲良くしてくれてることに感謝)
こういう事って、けっこうある事ではないでしょうか!?皆さんの身の回りでもよくあるのでは!?
褒める時に絶対に言ってはいけない事
褒める時に絶対に言ってはいけない事、それは「過去のダメダメな状況を持ち出す」こと。褒めるべき点と過去のストーリをセットにして語ることはNGです。
立派に成長した知人友人、成功した友達、などを讃美する機会に遭遇することもあります。よくやったね!と褒めたりすることも。
その人の昔の状態を知っていればなおさら、あそこからここへ飛躍したことに感動してしまうのも当然でしょう。
このような自分の頭の中のストーリーを全部ことばに表してしまうと、こんな↓風になってしまいます。「過去の困難を乗り越えて、今うまくいっている」そういう人に対して、とくに悪気なく
「成功してよかったね!!あの頃は四畳半の汚いアパートに住んでたのにねぇ〜」
とか言ってしまったりするのです😨。
悪気なく、口をついて出てしまう余計な一言。おそらく相手の成功を喜んで出てきた言葉でしょう。
けれどもほとんどの場合、本人にとってはあまり大手を振って歓迎したくない言葉だと思います。
逆の立場になってみればよくわかります。
私も学生時代の同期生に会うと、「すごいわね!!アメリカで学位をとったなんて信じられないわ。英語で落第点ばかりだったアナタがね…」と言われる事があります。
例え「すごいわね」と言われたとしても、同時に昔のダメダメだった頃のことをほじくりかえされるのは、あまり気分の良いことではありません。
たまに自らその話しを暴露して自虐ネタ的に話すことはあるものの、他人から褒められるのとセットでそれを言われるのは気持よくはありません。
どんどん成長していく人は、自己イメージをその都度変化させて先のビジョンを見ながら、なりたい姿へと自分をフィットさせていきます。
自分にとっての世界がどんどん変化していってるのに、周囲の心ない言葉によって「過去の自分」に引き戻されると、なんとなく違和感をおぼえたり不快だったりするのです。
このような不快感の理由は、無意識(内なる自分)が汚された様な感覚になるからです。
これには心理学的な理由があります。説明してみますね。
脳と心を汚染する余計なひと言とは!?
人がこういう事(褒め+過去のダメダメをセットで語られる)を言われることに対して「不快感」を覚えるのは、潜在意識の性質としてあたりまえの事なのです。
それは脳と心の性質上、
「最後に言った方」の言葉やセンテンスが潜在意識に侵入してくるから。
「あなた素敵になったわね。昔はダサかったのにね。」と言われた場合、最後に言った方の言葉「昔はダサかったのにね」の方が潜在意識にスッと入ってしまうということ。
これはまさしく、「負」のプレゼント。
言う方の側は「ただちょっと言っただけじゃん」と思うでしょう。
しかし、悪気なしに言ったことでも、相手の潜在意識を汚しかねないのです。
だからこそ、相手が不快に感じるのです。
「負」の言葉が入ってきたキモチ悪さが無意識でわかるんでしょうね。
言葉遣いは非常に重要だし、相手がいてコミュニケーションするために言葉を使うならば、なおさら注意したいことです。
もしも昔の友人や知人や家族が、飛躍したり成功を納めたり幸せを掴んだとしたら、“昔のこと” をひっぱり出すことなく、ただシンプルに「おめでとう」「よかったね」と言ってあげたら、言われた方も喜びが倍増するでしょう。
相手の脳と心の栄養になる褒めの作法
昔の事をむしかえさず、ただただシンプルに褒めるのが最強の褒め方です。
人の功績をほめるときには、昔の話しをひっぱり出さないこと。
これは、私が友人との一件で心から反省し、そして2度と同じ過ちを繰り返さない!と肝に銘じたことです。
褒めるときは、ただシンプルに、 その人が成し遂げた進化と成功についてだけを褒める! これにつきます。