大道ブログ

気持ちいい心でいたい私のWell-Being日誌

筋膜リリースと筋肉マッサージは別物:筋膜の記憶も解放できる

f:id:omichikahori:20210914023102j:plain

筋膜リリースに関する記事です

 

ミオ・ファーシャル・リリース Myofascial Release(筋膜リリース)について紹介します。ミオ・ファーシャル・リリースは、筋膜の緊張やツレを解放する為の手技療法。

 


Myoミオ➡︎  筋肉

Fascialファーシャル➡︎  筋膜

Releaseリリース➡︎  解放

 


名称を分解すると、それぞれこの↑ような意味になります。

ミオ・ファーシャル・リリースは「身体セラピー」の医療技術としては、比較的新らしい技法になります。

アメリカのフィジカルセラピストである
John F. Barnes氏によると、氏が考案したMyofascial Releaseは、痛みの緩和と体の機能向上の為の「理学療法」である、と説明されています。施術者により、軽いストレッチングのようなタッチにより、身体組織の深部まで影響を与えます。


特徴1:

一部分だけではなく、全身をみる施術です。

 

 


特徴2:
筋膜などの軟組織には、“過去の出来事”が記憶されています。



(*過去記事を移動させたもので、画像が壊れています。元画が見つかり次第、こちらの記事に加えます。)


結合組織 / 筋膜(Fascia)とは!?

 

筋膜はこれまであまり重要視されていなかった体内の組織システムです。

筋膜は2種類の繊維で構成されています。

 

 

1)コラーゲン質繊維弾力性が強くやや伸縮性があります。

2)伸縮質繊維とても伸縮性があります。

 

 

体内の筋膜は、「継続的薄層シートの結合組織」で、頭の先からつま先まで途切れることなく1枚のシート状になっています。

神経、血管、筋肉、骨を含む体内の他の組織や内臓をすべて包み込み、 深部へ入り込んでいる立体的なシートです。

筋膜はある部分ではとても濃密になっており、濃密な筋膜は他の筋膜より見分けがつきやすくなっています。

お料理前の生肉を見ると、白い透明な粘膜が肉の周りを包んでいるいますが、あれが筋膜です。

そして弾力のある白いスジのようなところが密度の濃い筋膜です。

筋膜が破損するとどうなる?

 

筋膜は体内のあらゆる場所を通過し浸透していて、すべてお互いにつながっています。どこにも切れ目がない全身ストッキングを履いているようなイメージです。

そのため、怪我、炎症、病気、手術などによって一箇所がコリ硬まったり傷ついたりすると、その部分が緊張して固まり、隣り合った部分やまったく関係のない場所に 痛みを併発させてしまうのです。

筋膜が破損した個所とはまったく別の場所に、激痛が走る患者さんの症状をいままで理解しえなかったのが、このミオファーシャルリリールの新しい 視点によって、痛みの理由を理解できるようになりました。

筋膜の解剖学・筋膜の構造を見てみよう

 

ほとんどの体内筋膜は「縦」に走っています。

そして4ヶ所の“筋膜分岐点”が「横」にはしっています。

これらの4つの分岐点はとても弾力があります。

 

1)頭蓋基底(頭と首の分かれ目の部分)
2)胸郭入口(胸のあたり)
3)呼吸隔膜(お腹のあたり)
4)骨盤隔膜(骨盤部分)

 

 

体内筋膜のどこか1部分が癒着してしまうと、これら4個所の分岐点は、制限されて(つれて)しまいます。

これが筋膜がすべて繋がっているため、理論的に1部分の癒着が他の部分の筋膜を色々な方向に引き攣らせてしまう理由です。

以上の説明で施術中に「なぜ症状に関係ない場所に治療を施すんだろうか?」という疑問を解決できたことでしょう。

施術者は筋膜の構造を熟知し、破損した部位 から筋膜のツレを解放していきます。

したがってこれは「からだ全体を治癒するアプローチ」なのです。

セーターのツレ VS. 筋膜のツレ

 

慢性的腰痛をお持ちの患者さんの例でみると、主な腰の痛みの他に首にも不快感がある場合があります。

これは腰のコリがじわじわと背中を上昇し、筋肉と筋膜が 徐々に固くなって、最終的に首と頭まで到達した為に併発した痛みなのです。

腰痛を治す最適な解決法として頭と首の筋膜のツレを解放することが必要です。

もし腰だけに施術をし、首のコリをそのままにしておくと、下(腰)に向かって筋膜が引っ張られ続けてしまいます。

そして腰痛の痛みと筋膜のツレが再び 蘇ってしまうのです。

「なにをしても痛みが治らない」という方は、痛む部位にしか施術をしていなかったからかもしれません。

セーターの一部分やストッキン グの一部をどこかに引っかけてしまうと、横や斜めにツレた線が入ってしまいます。

全身を一つのシートで包んでいる筋膜のツレにも、同じような事が起こって しまいます。

規則的な平面織のセーターなどよりも、複雑に体内深部にまで及んでいる筋膜のツレはもっと複雑になってきます。

 

手のひらでソフトな圧力を加え続ける施術

 

筋肉は私達の体の軟組織の大半をしめています。

すべての筋肉は筋膜に包まれているので、ミオ・ファーシャル・リリースという名称は「緊張筋膜の異常掌握からの軟組織の解放」という意味で使用されていました。

比較的強い圧によって反応する筋肉とは対照的に、筋膜をほぐすにはとてもマイルドな圧を加え続けます

コラーゲン質繊維である筋膜は、とても弾力性があり、ただグイグイ押すだけの作業に対して抵抗します。力任せに押すとツレた部分がリリースしていきません。

2セ ンチ四方の筋膜にはおよそ900キログラムを引っ張る力があるのです。

これだけの伸縮力があるのですから、筋膜のツレが原因となって「痛み」の症状が現れ る理由がよく理解できます。

施術者の手によって一定の軽い圧力を持続的に加え続けると、筋膜は軟らかくなりツレやコリが解放されてゆきます。

「持続的に長い時間」圧力を加えつづけることがミオ・ファーシャル・リリースのテクニックの重要な要素です。

筋膜のツレの解放」は、手によって繊細な判断ができるように訓練された施術者の技術によって、治癒の効果が始まり、立体的な組織が解放されていきます。

2分から5分間くらいの間、同じ部位に軽い圧を加え続けます。

解放された筋膜の状態を長持ちさせるには


ただグイグイと押す技法のコリの解放は数日間しか効果 がもたないのを、多くの方が体験済みだと思います。

ミオ・ファーシャル・リリースの施術を受けた直後はなにも感じない時がありますが、後から徐々に変化が現れ、その施術の成果の持続時間は長いのです。

急性の症状の場合、数回の治療で結果が出ます。

慢性の痛みの場合、症状の回復に何年にも渡って蓄積されていった慢性症状となっているため、最良の結果 を出す為には、もう少し長く時間を要します。

通常週に2回以下の治療では次の来院時にせっかく伸びた筋膜が元に戻ってしまうケースもたまにみられますので、次回の治療までの間にそれを防ぐ為の“ストレッチや関節運動”の指導をいたします。

治療後に数時間痛みがあったり、別の場所が痛んだりすることがまれにあります。

しかしその後、目覚しい改善が必ず現れます。

時にめまい、吐き気、倦怠感 や、一時的な感情の変化が現れることもあります。

これらはいずれも「体の深部における正常な反応」であり、筋膜の緊張がほぐされる事によって起こる“肯定 的変化”なのです。

 

軟組織に記憶された過去の記憶や老廃物

 

「コリ堅まった組織」が解放される時、その部位 の周辺組織や血流の中の新陳代謝における老廃物の詰まりも同時に解放されます。

治療期間中に沢山「水」を飲んでいただく事によって、それらの体の中の老廃物を洗い流してしまうことができます。

水を沢山飲んではやく老廃物を体外に流すことによって上記の様な倦怠感などの好転反応を防ぐ事が可能になります。

また、筋肉や筋膜などの軟組織には過去に受けた衝撃や心の傷が記憶されています

今まで触れられた事のなかった場所を施術していると、怒りの気持がこみ上げてきたり、笑いだしたり、体の不調の原因となった過去の出来事を思い出したり、そのフラッシュバックを見たりすることがあります。

それらは単に
軟組織の記憶ですから、再び不快な気持を甦らせるのではなく、記憶が浮上することによってそれを解放してゆくのです。

身体に滞ったトラウマや、体に抱えた
精神的負担が解放されるのも、このミオ・ファーシャル・リリースの特徴です。 by ジョン.F.バーンズ氏