今日わたしたちは、東日本大震災から二年目を迎えました。
被災されたあるご夫婦のお話をシェアさせてください。
この話を聞いて「人の生き方は、最期にあらわれる」ということに気づかされ、心打たれました。
津波にのまれた夫
これは、福島県在住の旧友のご近所に住む夫婦のお話しです。
そのご夫婦は、大地震があった後「津波が来そうだ」ということを知って、家の屋根に登って避難していました。
しばらくして夫が「忘れ物をとってくる」と言い出しました。奥様はやめた方がいいと言ったけれど、夫は急いで1階に大切な物を取りにいきました。
その瞬間に大津波が押し寄せたのです。
奥様の方は、どうすることもできず、恐怖の中で立ち尽くし、辺り一面に溢れた水面を呆然と眺めていました。
すると、なんと!
津波にのまれて流されている夫の姿がふと目に入ってきたのです。
「あっ!」と思ったけれど、どうすることもできません。
すると濁流の水面に浮き上がってきた夫は、奥様の方を見て、ガッツポーズをしました。
そして、笑顔でバイバイと手を振りながら、 水の中に沈んでいったそうです。
それが、奥様が見た夫の最後の姿でした。
夫の想いと生き方が現れた最後の姿
この場面を想像しただけで、涙が溢れてしまいます。私なら、津波で溺れている最中にこのようなことをする余裕なんかないと思います。
突然の災難に見舞われて、恐怖の中で寒く苦しいおもいをしながら、ガッツポーズで、バイバイです。
これ、練習を重ねてきた訳ではありません。
それなのに、どうしてこのようなことができたのでしょうか!?
この男性がそれまでの人生で常に大切にしてきた「在り方」がそうさせたのではないでしょうか。
いつも奥様の事を想いやっていたその男性の「在り方」が、大災害で津波にのまれている中でも、このような立派な行動に現れた。
奥様は、この光景を目にしていなかったら、一生後悔していたかもしれない。
「なんで、あの時、一階に行くなと、止めなかったのか」と。
でも、夫の最後の姿は笑顔のガッツポーズ。
その姿は、これから長い人生を歩んでゆくとき、ずっとずっと、永遠に、心の中の映像として焼き付いていることでしょう。
夫からの最後のプレゼント。
被災したご夫婦がもたらしてくれたこと
3月11日の今日、海のすぐ真横にあるカフェでその話しを思い出したので、家人にシェアーしたら、2人とも泣いてしまいました。
毎日を真摯に生きる。
毎日を心豊かに過ごす。
生きてることに感謝をわすれない。
そうすることにしよう。
毎年、そのことを思い出そう。
想いは続く
この日は日本人にとって、人生観が大きく変わる日になりました。「今までの人生は、なんだったのだろうか」という問いが降りてきた。
でも、答えはまだ見つからない。
でも答えなど無くていい。 答え探しに終わりなんてないと思う。ずっとこの想いは続いてゆくだろう。それでいいのだとおもう。