大道ブログ

気持ちいい心でいたい私のWell-Being日誌

子供の頃の夢をホントに実現化させる:パウシュ教授のラスト講義

「どうやって人生をきりひらいてゆくのか?」
「どうやったら夢を実現化できるのか?」


3人の幼い子供達に向けて語った、感動的なラストレクチャーのお話です。

 

米国「カーネギンメロン大学」のコンピュータサイエンス学科教授である、故ランディ パウシュ教授(Randy Pausch)によるラストレクチャー(最後の講義)が行われ、その様子が収録されたものをYouTubeで見る事ができます。(2007年9月18日収録)

 

「ラストレクチャー」と は文字通り、引退する教授が最後に教鞭をとる日の授業のこと。

 

Pausch博士は、カーネギンメロン大学にエンターテイメントテクノロジーセンター(Entertainment Technology Center)を創設した方。アメリカで高校生・大学生が楽しくプログラミングを学ぶことができる、アニメーション教育システム「Aliceプログラム」 の構築を手がけてきた人でもあります。

 

膵臓癌の治療のため、少し前から教授職を辞任されており、そのことについて「部屋にゾウがいる(大きな10個の癌病巣)」とCTスキャンを見せ講義がはじまりました。そういった闘病の事情を知らずにレクチャーに参加している人達のためです。

 

「僕はどうやったら楽しくなくできるのかわからないし、“楽しい”がなくなってしまったら生きてゆけない」「だから今日も明日もあさっても、最後の日まで 毎日“楽しく”生きるんだ」とおっしゃっていたとおりに、博士の「ラストレクチャー」の様子は、離れたところで音だけ聞いていたらまるでユーモアたっぷり のコメディアンがトークしているような口調と、楽しい雰囲気につつまれた会場の音がします。

 

教授も受講者もYouTubeを見ている側の私も、笑いと感動 の中で楽しい時が過ぎてゆきます。

 

ラストレクチャーの議題は『子供の頃の夢をホントに実現化させる』
というもの。


★ どうやって自分の夢を実現化させたのか
★ どうやって他の人の夢の実現化を手助けしたか
★そこから学んだ教訓と、皆さんにも夢の実現を実践してほしいという話

 

9歳の時、人類が月にはじめて着陸した映像を見て「我々にはなんでもできる可能性がある!」と感動した体験についてのお話しに続いて、「インスッピレーションと夢見る力は 無限である」「そういう想いを持続させるべき!」とおっしゃいました。

 

この事がきっかけになったのか、子供の頃「こうなりたい」と思った夢を次々に実現し ていった様子が、楽しく語られました。

 

そんな中で、幼少の頃家族でディズニーランドに行って大感激し「こんなのを作る人になりたい!」と強く思ったという逸話がありました。

 

なんと、 パウシュ教授はカーネギーメロン大 学の教授になって、ディズニーランドのnewプロジェクトに参加するきっかけに恵まれ、アラジンの映像作りに参加されたのです(日本ではディズニーシーに あるアトラクションですね)。

夢が適ったのですね!!

 

教授が語るさまざまな「夢を叶えていく物語」の中で『レンガの壁』という言葉が、何度か出てきます。それは、前進することを阻む妨害のことをさしています。

 

パウシュ教授は、『レンガの壁は理由があって目の前に立ちはだかる:それは我々がどれほど強くその夢の実現化かを望んでいるか、ということを立証し見せてくれる。』『レンガの壁は、我々がどれほどの決意をしているかを見せてくれる。』という見方をしていらっしゃいます。

 

そして、レンガの壁が立ちはだかってしまった時であっても、こんな考え方をします。『経験とは、求めていたものが手に入らなかった時に手に入るもの』と。

 

その後、Javaなどプログラミングを学ぶ青少年のための教育ソフト開発に関わるようになったり、生徒の才能を伸ばすサポートをしたりなど、他人の夢を叶 える手助けができるようになったお話、そしてそれはとても楽しいものであるということ。

 

それから、そこから学んだことを、助けてもらった友人達や生徒達と の逸話とともに紹介されましたが、一つ一つの『学んだこと』を聞くにつれ深く心に染み渡りました。

最後に、今日の講義は本当は「どうやったら夢を実現化できるのか?」についてではなかったのだ、とランディー博士は言いました。

 

本当は「どうやって人生をきりひらいてゆくのか?」ということについての話。そして「人生をきりひらいてゆけば、おのずと正しい方向へと導かれて、夢があちらからやってきてくれるんだ」 と。

 

それからもう一つ...

 

本当はそのことについて語ったわけでもなくって、今日の講義は「私の3人の子供達へのレクチャーだったんだよ」と語り、ラストレクチャーが終了しました。(6歳4歳の男の子と2歳の女の子)

 

この「ラストレクチャー」は、インターネット上で話題になり、その後このレクチャーの内容は本になっています。

 

博士は『Time』マガジンで、もっとも影響を受けた100人にも選ばれました。YouTubeは中国語やその他の言語に訳されています。

 

これは別の日にTVに出演された時のコメントでおっしゃっていたのですが、エンジニアが持つ問題は「さて、どうしたらこの問題を解決できるかな?」と、常に考えてしまうことなのだそう。

 

たとえ生死の崖っぷちにいる時でさえ問題の解決策を常に模索する。医師に余命を宣告されたあと「残された数ヶ月で何をした らいいのか?」と考え、このラストレクチャーに臨んだのだそう。

 

司会者からの質問「なぜ僕が?という怒りはないの?」に対し、「“怒り”が状況を良く変えてくれるならまだしも、そうでないなら怒ることに時間をさくのでなく、もっと発展的なことに時間を使いたい。」と答えておられました。

 

Randy Pausch博士は、すい臓がんの長い闘病生活の末、2008年7月25日に死去。「ラストレクチャー」を実際に受講した500名だけでなく、 YouTubeというインターネットテクノロジーを通して、世界中の何百万人もの人々に人生の尊さや楽しさや、自分の道をきりひらいてゆく勇気と知恵を伝 えてくださった。


感謝の気持とご冥福を心からおくりたいです。


クローバー日本語の本みつけました。
最後の授業 ぼくの命があるうちに』ランディ パウシュ (著)

クローバー日本語の字幕付きみつけました。
(1から9まで分割されているようです)

Dr. Randy Pausch(享年47歳) 1960〜2008